第3章 もう涙は枯れ果てた
「あァ、あとそれから…」
この世の終わりかのように落胆する私に、まだ追い討ちを駆けるらしい。
もうどうにでもなれ、なんて思いながら、憎き男を睨みつけた。
「…うぅ!?」
瞬間、心臓が鷲掴みされたような息苦しさに悶える。
この感覚、ついさっきにも感じたような…
「これはおれが預かっている」
彼は私の前に掌を見せた。
すると、何もなかったそこに現れたのは、ガラスケースのような箱に入った心臓模型。…模型?
――――う、嘘でしょ。そんな事があってたまるか。
だって、私はこうして、今も普通に動いて…
「お前の運命、生かすも殺すもおれ次第って事だ」
神様、どうか私に慈悲の手を。