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【外科医】 キミ色に染まる  【完結】

第24章 キミ色に染まる



 彼女が目を覚ました時、泣くかと思った。

 心の底から安堵したんだ。





 彼女には、やり遂げなければならない事があった。
 毎日が平凡過ぎて、おれはすっかり忘れてしまっていた。

 彼女が傷付いたのはおれの落ち度だ。


 おれは、守れなかった。





 だから、決めたんだ。


 ―――革命軍に預けると。



 あの時のさみしそうな顔、未だに脳裏に焼き付いている。

 零れないように堪えていた涙が、音もなく流れていた。





 
 もう二度と会えなくなる訳じゃない。

 彼女の病は必ず治る。

 その為にも、治療に専念するべきだ。



 それでも、本当は嫌だった。

 そばにいないなんて、考えたくもない。



 それでも、彼女の病が治るなら。

 絶望に満ちた世界から彼女を救えるのなら。



“運命だろうが奇跡だろうが、お前となら信じてもいい”

 その言葉に嘘偽りは一つもない。


“おれたちの出会いが運命なら、必ずまた会える”

 だからおれは彼女に運命を預けたんだ。


“おれの心臓をお前に預ける”

 必ず返しに来いと約束して。



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