第24章 キミ色に染まる
“もしも”
“この世界から私が消えてしまっても”
“どうか忘れないで”
“私はいつだって”
“あなたの中に生き続けるから”
“あなたを、守るから…”
今日は珍しく目覚めの良い朝だった。
その訳は…ただ一つ。
久々にあの夢を見た。
ここ最近見ることはなかった所為か、夢の中で彼女に会えた事を嬉しく思う。
気付けば口元がニヤついていて。
おれも相当だな、なんて思う半面、アクアに会いてェと呟いた。
「キャプテーン!!起きてるー?」
ノックもせずに部屋に入ってきたベポ。
全く、朝から騒がしいやつだ。
「起きてる。島に着いたのか?」
「うん、キャプテンも降りるでしょ?」
「あァ」
じゃあ、甲板で待ってるね、と部屋にやってきた時と同じようにベポは軽やかに出て行った。
ベッドから降り、クローゼットを開ける。
ベポが次は冬島だと言っていたのを思い出し、黒のコートに袖を通す。
そして新調した形の帽子を深くかぶると、愛刀を手に部屋を出た。