第23章 脈打つ度に貴方を感じる
「じゃあなーアクア-!」
「元気でやれよー!」
「おれたち、待ってるからな!!」
革命軍の船に乗り込み、甲板からハートの船を見下ろす。
皆手を振ってくれていて、私もたまらず大きく振り返した。
「行ってきます!必ず…必ず戻るから!!」
こうして大声を上げることは今まで無かった。
少し照れくさいけど、そんなことより皆への気持ちが勝っていて。
他の革命軍の人もいるというのに、お構いなしに手を振り続けた。
「アクア!!」
喧噪の中、はっきりと聞こえた声。
聞き逃しはしないその声は、もちろん愛しい彼のもので。
ローの方を見れば、それと同時にこちらに向かって何かを投げた素振りをしていた。
慌てて上を向くと何かが宙を舞っていて。落とさないように両手で受け取った。
「何?それ」
サボが不思議そうに私の掌の中に納まったそれを覗く。
それは透明のケースに入っていて私も何だろうと顔を顰めた。
でもすぐに分かった。
私はそれを見たことがあったから。
「…心臓…」