• テキストサイズ

【外科医】 キミ色に染まる  【完結】

第23章 脈打つ度に貴方を感じる



「アクア-、支度出来た?」
「うん。今行く」

 先に甲板に持ってくね、と扉の前に積んであった荷物をベポが持って行く。

 私は追うように部屋を出て、振り返った。





 ―――少し殺風景になったかな。


 元々私の荷物が多かったわけではないけど、なんだか物寂しく感じるのは、今日でこの部屋とはお別れだからか。


「ふふ、いろいろあったな」

 思い出したらきっとキリがない。

 それにまた泣いてしまいそうだから。

「…また、ね」










 甲板に出るとこの船のクルーたちが集まってた。

 きっと皆見送りをしてくれるんだろう。


「アクア-!元気でやれよォ!!」
「必ず治して戻ってこいよー!」

 ひとりひとりの顔を見ながら、私が通るために空けられた道を歩く。

 あれほど海賊が嫌いだったのに。
 涙ぐむ彼らが愛しくて、思わず微笑んでしまう。



/ 184ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp