第22章 何度でも、また私を見つけ出して
ローは一瞬目を開かせ、私から反らした。
それを見ればすぐに分かる。
やっぱり知っていたんだと。
だけど今更それを咎める必要は無い。
私はそのまま話を続けた。
「それでやっぱり私はこの病で死ぬんだって思ったら、やり遂げなくちゃいけない事を思い出したの」
「……やり遂げる事…?」
「私が生きてきた目的は“ドフラミンゴを討つ”ため。……だから…」
勝てる訳ないのは承知の上で。私は最後の賭けに出たんだ。
私の運命は“ドフラミンゴに一矢報いて死ぬ”のか、それとも“病に冒されて死ぬ”のか。
勿論、今生きているという事は、後者だったらしい。
結果、ドフラミンゴを倒す事も傷一つ与える事もないまま、生まれ持った病で私の生涯は終わるらしい。
なんだか、あっけなかった、かな。
「…勝手な事をするな」
ローはそれだけ言うと、私の肩を抱く力を強くした。
きっと心配かけただろう。
ローだけじゃない、ベポやペンギン、シャチや他のクルー達も。
「ごめんなさい…」
私の言葉に、更に抱く力を強めた彼は、心做しか震えてる気がした。
怒りに満ちているのだろうか。それとも私が死ぬと思ったのだろうか。
なんだか聞きづらくて、私は黙ったまま布団を握る自分の手を見つめていた。