第22章 何度でも、また私を見つけ出して
もう目覚める事はないと、最後にドフラミンゴが去って行く姿を見て遠い意識の中思っていた。
だけど、どうやら運は私に味方をしてくれたようで。
見慣れた天井が視界に入った時、少しばかりホッとした。
「アクア」
耳を擽るのは愛しい声。
ゆっくりと声がする方に首だけを向けると、顰めっ面なのに何処か安堵したような雰囲気を纏う彼が居た。
「ロー…、私、」
「もう3日も寝たきりだったんだが」
「……?」
「何か言う事があんだろ」
なんだか久しぶりに会ったような気がする彼の顔には、普段の数倍濃い隈が見える。
思わず、相変わらず隈が酷いわね、と言いそうになったけど、私が目覚めるのをずっと待っていてくれたんだろう。
そっと彼の方へ手を伸ばし、少し痩せこけた頬に触れ。
「また…会えて良かった…」
そう呟くと彼はフッと笑って。
「……待ちくたびれた」
と、頬に触れた私の手に自分の掌を重ねた。