第20章 群青色の空と、鮮血の赤
―――ねぇ、ロー。
私はとても弱い人間だけど。
そんな私でも、守りたいものがあるんだ。
「フフッ…威勢が良いのは褒めてやるが…相手にならねェなァ…」
「……くッ………ゲホッ」
苦しい。
息が出来ない。
約束通り、ドフラミンゴは昨日会った場所にいた。
相変わらずの不敵な笑み。気味が悪い。
「それにしても、嬢ちゃん。いきなり攻撃してくるのは酷ェなァ…?」
ゆっくり近付いて私の間合いに入った途端、隠し持っていた拳銃をドフラミンゴに向けた。
だけど、数秒の世界でもドフラミンゴに見抜かれて。拳銃を持っていた手を制され、脇腹を見えないスピードで蹴り飛ばされた。
何とか立ち上がってもう一度銃口を向けたら、今度はその腕を蹴られ、得物は無残にも私の手の届かない所へ吹っ飛ばされた。
「嬢ちゃん…昨日の話の続きを聞きに来たんじゃねェのかァ?」
「…どうせ私は死ぬっていう話じゃない。聞いたところで何も変わらないわ!」
そう、もう私の病の事はどうだって良かった。
ローは頑張って、私の為に何とかしようとしてくれる筈。
だけど、実際はそんなもの無意味でしかなくて、時間の無駄。
だったら私がすべき事はただ一つ。
私は、この男を…!