第19章 この手からすり抜けて、君は何処に
“もしも”
“この世界から私が消えてしまっても”
“どうか忘れないで”
“私はいつだって”
“あなたの中に生き続けるから”
“あなたを、守るから…”
久々に夢を見た。
アクアと出会ってから、全く見る事のなかった夢。
夢に出てきた彼女は、切なく笑う顔しか見せなくて。
怒る事も泣く事も、優しく笑う事もなかった。
現実と違い過ぎて、彼女の表情一つ一つにどれほど戸惑わされた事か。
それにしても、何故今更、あの夢を再び見せられるのだろうか。
そこに、どんな意味が……