• テキストサイズ

【外科医】 キミ色に染まる  【完結】

第19章 この手からすり抜けて、君は何処に





 こんなに人を愛しいと思った事は一度もない。


 ただの処理にしか過ぎないその行為で、心が満たされた事も。









 目に涙を浮かばせ、潤んだ瞳でおれを見上げるアクア。そして、何度もおれの名を呼ぶ。
 それだけで微かに保っていた理性は簡単に崩され、おれを限界へと煽る。


 結果、無理をさせてしまったようで。

 自身も身体を震わせた後、そのまま意識を手放した。





 息を整えベッドに横たわり、アクアの身体を抱き寄せる。
 疲れきって眠っている彼女の額に何度か口付け、おれも目を閉じた。


 そういえば、言い逃してしまった。

 彼女が目を覚ましたら、きっと恥ずかしさに顔を赤らめる彼女にこう言おう。



「愛してる……アクア」


/ 184ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp