第18章 貴方を愛してしまった
「ロー」
「…まだ文句あんのか」
「好きよ」
「………は?」
何故だか伝えたくなって、素直に言葉にしてみた。
今まで一度も口にした事の無かった想い。案外すんなりと言えてしまった事に自分でも驚いている。
だから起き上がったローが怪訝な顔をしているのは当然であって。
「…お前も酔ってんのか」
「えぇ、そうみたい」
「……」
「じゃなきゃ、愛の告白なんて、私が出来っこないでしょ?」
口調はいつも通り。でも広がる顔の熱は隠せない。
ローはまさかの出来事に口を開いたまま目を見開かせる。
だけど、数秒黙った後、ニヤリと口角を上げ目を細めた。
「この状況で愛の告白とは、随分大胆なやつだな」
「…ッ、別に、変な意味じゃ、」
「あァ…分かってる。おれに抱かれてェんだろ?」
「だ、抱か…っ?!」
その都合の良い脳内はお酒の所為?
それとも元から?
…後者だとしたら彼は酔ってるフリって事だ。
私がキッと睨んでみれば、至極可笑しそうに笑うロー。
憎たらしい男。
「くくっ、図星か」
「………バカ」
本当に憎たらしい。