第18章 貴方を愛してしまった
「…おい」
どうやら、それがローには気に食わなかったようで。口を大袈裟にへの字に曲げ、黒いオーラで私を睨む。
「…フラフラするなと言った筈だが」
「んー?じゃあちゃんと掴んでおかないと、逃げちゃうわよ?私」
「…それなら、こうすればいいのか」
そう言ったローは、私の肩を抱き寄せ、頬に唇を押し当てた。周りから「ヒューヒュー」と囃し立てる声が上がる。
いきなりの彼の行動に驚いて、慌てて身体を離そうとしたけど、ローはそれを許すはずなく。グッと肩を掴んだまま、「これでいいんだろ?」と余裕の笑みを見せた。
彼も大分酔いが回っているらしい。
「アクア、さっきから飲むペース早いけど、全然平気なの?」
「お酒強いから。まだまだイケるわ」
「へェー。じゃあキャプテンとどっちが強いかな?」
「え?」
「…あ?」
何気ないベポの一言。それに反応した私達。
「おれがコイツに負ける訳ねェだろ」
「そうかしら?現にトラファルガーさんはもう酔っ払ってるみたいだし」
「あァ?」
ローと至近距離で睨み合う。
そして、暫しの無言の後。
「どっちが強いか…」
「…飲み比べしようじゃないの」
互いに満杯に注がれたジョッキを持って、乾杯をした。
さぁ、先に堕ちるのはどちらでしょう。