第18章 貴方を愛してしまった
暫く歩いた所で、酒場に着いた。
どうやら二階は宿としても経営しているようで、とても大きな店。
そこを貸し切っちゃうのだから、この海賊団は凄い。
何処からそんなお金が入ってくるのか…いや、考えるのはやめよう。海賊なんだから、強奪とかした時のお金なんだろうし。
店に入るなりすぐに、ローの乾杯の合図で全員が一気飲みするもんだから、私は唖然としてしまった。
「そういえば、アクアが宴に参加するの初めてだよね」
口を開いたままの私に話しかけてきたベポ。白い顔がほんのりピンク色に染まっている。可愛い。
「食堂で何人かと飲んだりはしたけど…こうして改まって皆で乾杯するのは初めてかも」
「キャプテンの合図で一気するのは船の鉄則みたいなものなんだ。次からはアクアも一緒にやろうね!」
「…うん」
次からは、か。
私は今日で皆と飲むのは最後になるのかもしれないのに。
そんな事は言えないから、流すように返事をした。