第17章 果たせない約束
“明日の朝、また此処に来る”
“おれが知っている事、全部話してやるよ”
そう言ってドフラミンゴは去って行った。
私は暫く、その場から動けなった。
それは、ドフラミンゴへの恐怖からではなく、自分に迫っている運命を受け入れるのに時間がかかったからでもない。
思い出したんだ。
ずっと平和で穏やかな日々を過ごしていた所為で、すっかり失われていた本来の自分の目的。
“島の皆の敵、ドフラミンゴを倒す”…そのためだけに今まで一人で生きてきた事を。
「ローが知ったら…きっと怒るでしょうね」
バカな真似はよせ、と怒鳴る彼の顔が浮かぶ。そんな顔でさえ愛しく、切なく想えた。
「…でも、これが私の宿命だから」
もう迷わない。思い残すことはない。
…ただ一つ、心残りなのは…
“おれの隣で見てろ”
貴方の野望を、見届けられない事。
【果たせない約束】