第17章 果たせない約束
―――なんて残酷な世界なんだろう。
親が死んで、島を失って、その上自分はもうすぐ死ぬ?
神様は、どうして私ばかりそんな目に合わせるのだろうか。
私が一体何をしたっていうのよ。
「どうだァ?自分の死期が近い感想は?」
「…」
何を今更。
自分で言っていたじゃない。いずれこの病で死ぬなんて分かりきっていたじゃない。
それが目の前に“証拠”として突きつけられただけで、今までと何一つ変わってない。
「嬢ちゃんがもっと詳しく聞きてェって言うなら…教えてやっても良いが…?」
「…」
「どうする?無償で教えてやるぜ…フフッ」
どうせ、死ぬ事に変わりないなら…
「………教えて」
せめて最期に、この男を。
「フフッ、いいぜ…」
この男を討つ………!