第17章 果たせない約束
“前例がねェのは当たり前だ…”
“その病気に冒された者は全員”
“原因不明のまま死ぬんだからなァ…!”
「………」
「あァ…やっぱり知らなかったか。あいつも悪ィ男だ…フフッ…!」
そう言ってドフラミンゴは高笑いをした。
私を蔑み、尚且つ愉快そうに。
「…でも、彼らは…治療法を見つけたって…!」
「らしいな…でもそれはあくまで“治療法が見つかった”って事だけだろう…?」
「…それは、」
「誰も成功していない…現に、革命軍にいた二人の冬身病患者は死んだ」
「…ッ」
そんな事、サボは言っていなかった。
冬身病の治療をしているのは、サザーランドさんの息子さんだけで、それ以外にはいないって。
…まさか、それは…
「…う、そ…」
彼らは、私に嘘をついた。
それはきっと、私を不安にさせない為のもの。彼らの優しさだ。
それをとやかく言うつもりはない…だけど。
「…ローも…」
「十中八九、そう聞いているだろうなァ…」
“時間はかかるだろうが…必ず治す”
ローも、私にその事実を知っていた。だから、あんなに必死になって治そうとしてくれているんだ。
私の…近い未来。
それを知ってるから、ローは…
「じゃあ…私は…」
「あァ…いずれ死ぬ…!」