第17章 果たせない約束
「…ところで…身体の具合はどうだァ?」
「!?」
―――なんで…それを…!
「ローの船に乗っていたからなァ…少し調べさせて貰ったぜ、アンタの事。残念ながら、出生までは調べ上げられなかったがなァ…」
「…」
「どうやら、相当ローに大切にして貰ってるみたいじゃねェか…フフッ」
だからなんだと言うんだ。
サングラスの所為もあって、何を考えているのか全く読めない。
分かるのは、相変わらずの不敵な笑み、癇に障る笑い声。
全てが憎くて…悍ましい。
気付かぬうちに、私の足は震えていた。それを悟られないように平然を装うけど、きっとこの男には全て見抜かれているのだろう。
「今もお前の為にいろいろ動いてるみてェだが…果たして、それは役に立つのかねェ…?」
「…どういう意味、」
「“冬身病”」
「!?」
「冬に嫌われる身体…気の毒になァ」
どうして。どうしてその名前を…!
それは革命軍が付けた名で、前例が無く、世間には出回っていない筈なのに…!
「驚いたかァ?まァ、簡単な話だ…スパイなんて何処にでもいるもんでな」
そういう事か。
頭のキレるこいつの部下なら、革命軍に潜入する事も容易く出来てしまうのだろう。
だけど…ドフラミンゴがそれを知ってると態々伝えに来た訳では無いだろう。
何か…何か他に目的がある筈だ。