• テキストサイズ

【外科医】 キミ色に染まる  【完結】

第17章 果たせない約束



 いつだってそれは神出鬼没で。


 いつだってそれは簡単に私の心を掻き乱す。








「……ドフラ、ミンゴ…ッ」
「久しぶりだなァ。まさかこんな所に一人でいるとは…」

 私の島を襲い、嘲笑うかのように去って行った大男は、相変わらず口角を上げて怪しく笑う。
 思いもよらない偶然の再会は、私の背筋を凍らせ、息を詰まらせた。


「…何の用?」

 精一杯の睨みを向ける。
 無論、ドフラミンゴはそれに怯む事は無く。

「フフッ…まァ落ち着け…、危害を加えるつもりはねェさ…今はな」

 “今は”と言う言葉がやけに引っ掛かった。

 …何か企んでいる。本能で、嫌な予感が私の頭を過ぎった。


「ローなら今いないわ」
「あァ…知っている。あいつに会いに来た訳じゃねェさ」
「…」
「おれが用があるのは…嬢ちゃん、お前だ」
「?!……わた、し…に…?」


 どういう事だ。全く理解が出来ない。

 用があるとすれば、私の方だ。目の前にいるこの男は、私の敵である。

 だが、それをドフラミンゴが知る筈が無い。

 あの時…島を襲われた十年前、私は姿を見られていないし、この男を倒す為に生きてきたなんて知る由もないのだ。

/ 184ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp