第15章 薄れる意識の中、呼んだ名は
革命軍との出会いから二週間。
未だにサボからの連絡はない。
詳しい場所までは聞かなかったけど、“新世界”に本拠地があると言っていたから、そこに戻るまで時間はかかるだろうし、資料を集めるとなれば余計にだろう。
その間特に体調を崩さなかったし、急ぐ旅でもないから。
私は普段通りの振舞いをしていた。
「ロー、そろそろ夕御飯出来るって」
「あァ…後で部屋に持ってくるように言っておけ」
「…」
だけど、ローは違った。
あの日から、医療本が山ほど置いてある資料室に篭もりっきりだ。
元々私と正反対の性格の持ち主。
完璧主義というか…自分なりに出来る事を探しているのだろう。
サボから連絡が来るまで落ち着かないのか、或いは自分では解決出来ない病がある事が悔しいのか。きっと両方だと思う。
時間があれば机に向かっていて、誰か声をかけないと食事も忘れてしまう。
私の為の行為なのだから、それを無下には出来ないけど、さすがに重症だ。