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甘い契約【DIABOLIK LOVERS】

第7章 看病ver.ユーマ【無神ユーマ】


私が熱にうなされているのに、この態度は何なのか。
もっと甲斐甲斐しく看病してくれてもいいじゃない。


ユーマは名前を気遣う素振りを微塵も見せず、部屋のテーブルに座って角砂糖を食べ始めた。


「…ちょっと」


名前はたまりかねて声をかけた。
こんなの看病でもなんでもない。

「のど乾いたから…何か飲みたいなー」


ユーマがめんどくさそうにテーブルを指差す。

『ここにあんだろーが…勝手に飲めよ、いちいち騒ぐな!』

その傲慢な態度にイラっとする。

「持ってきてくれない?」

ユーマは名前と目も合わさず、気だるげに答える。

『取りに来いよ。冷蔵庫から持ってきてやったんだ、あとは自分でやんな』


「…動くのキツいんだってば」

体の節々が痛くて、ベッドから出るのは正直つらい。

「お願い、取って?」



ガンッ!!

ユーマの拳が、テーブルを叩きつけた。

名前はその音にビクッと怯える。


『ワガママ言うんじゃねぇ!…病人は病人らしく……』

そこまで言って、ユーマはニヤリと笑った。


ペットボトルを掴み、ベッドに腰掛ける。

『……そうか…病人だから何もできねぇんだよな?…そんなに飲みてーなら、いいぜ?』


そう言ってペットボトルのフタを開ける。

『一滴も零すなよ?』


そのままユーマは自分でその水を飲んだ。

「…えっ?」

名前が呆気にとられていると、
ユーマの顔がゆっくりと近づいてきて、唇にキスをされる。


「?!…んっ…」


口の中に水が流れ込んでくる。
飲みきれなかった水が口の横から溢れた。



「…っはあっ…!」

ユーマの唇が離れる。

名前は顔を真っ赤にして目を見開いていた。

『零すなっつったろ…』

そう言うとまた口に水を含む。


驚きを隠せない名前の頭を押さえながらまた口付けた。


「んっ…!」



名前がゴクンと喉を鳴らすと、ユーマの唇が離れた。

「…はあ…っ」

『オレが直接飲ませてやったんだぜ…?これで文句ねぇだろ』


「ちょっ…」

名前は口ごもる。


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