第5章 企み【無神コウ】
『さーてと…じゃあこれ脱ごっか♪』
「っ…?!!」
コウが名前のシャツを捲り上げた。
目を丸くする名前を、コウは不思議そうに見つめた。
『ん?だって脱がなきゃ洗えないでしょ?オレが脱がせてあげるから、ほらっ…腕上げてよー』
そう言って名前の胸までシャツをたくし上げる。
「きゃあっ…!」
名前は慌ててそれを下ろそうとする。
コウは少し不機嫌そうに名前を見下ろす。
『オレが脱がしてあげるって言ってんのに…言う事聞けないわけ?』
「や…ちがっ…!」
ーーなんなのこれー!
名前は心の中で叫んだ。
チラッとコウを見る。
明らかにイライラしている。
『腕、あーげーて?』
コウが催促する。
名前は仕方なく腕を上にあげた。
怒らせたら何をされるかわからないから。
「…っ」
『そうそう♪…よ、っと』
バサッーー
「〜っ!」
下着姿になった名前は胸を手で隠した。
それをコウは楽しそうに見つめる。
『そーんな隠すほど、エム猫ちゃん胸あったっけ?』
「え…あ、ありますからっ!」
顔を赤らめながら意地悪なコウに反論する。
そんな名前の反応を楽しみながら、
思いついたようにコウが言った。
『あ、そうだ…このままお風呂、入っちゃおっか♪』
「え…ええっ?!」
『オレもなんかシャワー浴びたい気分だし…いいよね?』
そう言ってコウは自分のシャツのボタンを外し始めた。
名前は急な展開についていけない。
「えっ…あの!…お風呂って…え?…私が?」
『そうだよ?このコウくんとさぁ、一緒に入ろー?って言ってんの』
コウはシャツを脱いで、今度はズボンのベルトを外した。
「ええっ?!!い、一緒に…?!」
名前は動揺して、思わず後ずさりした。
心臓の鼓動が、バクバクと音が聞こえそうなほど波打つ。
『そ。…名前も早く脱いで?それとも、オレに脱がせて欲しいのかなー?えっちなエム猫ちゃんは』
「えっ、ちがっ…!」