第4章 序列2【無神ルキ】
名前の部屋の前まで来ると、
合鍵を探しノックもせずに開錠した。
ガチャリ
キイーー
ゆっくりドアを開ける。
部屋を見渡すと、名前はまだベッドで眠っていた。
『…。』
名前の顔を覗き込む。
何も知らずにすやすやと寝息を立てている。
ルキはため息をついた後、かかっている布団をめくった。
『…っ!!』
予想通り。
名前は下着姿で寝ていた。
ルキの中で全てが繋がる。
そして、他に特に目を引いた箇所があった。
腕の赤い跡…。
何かで締め付けられたような…
はあ…
ルキはもう一度、大きくため息をついた。
『…ッ!』
ギュウウッーー!
赤くアザになっている名前の腕を思いっきり掴む。
指を肉に食い込ませ、力を込める。
「……ん、…い、いたっ…」
名前が僅かに反応した。
ギリッーー!
そのまま更に力を込める。
「んっ…いたあああっ…!」
まだユーマの手跡が残る腕を、ルキに強く掴まれた痛みで名前は目を覚ました。
「ん…いたっ…何…?」
目を開けると、真上に誰かの顔があった。
……ルキだ。
ルキは無言で名前を見下ろしている。
「…ルキ?…ん、おはよ…」
目を擦りながら微笑む。
まだ眠い。
『…早く起きろ、今何時だと思っている』
ルキの声のトーンはいつもより低い。
が、
まだ眠気の残る名前は気がつかなかった。
「…はーい、っ、いたっ…」
体を起こすと、やはり両腕が痛む。
腕の跡に目が行ったとき、
今自分が下着姿であることを思い出した。
「あっ…!やば…っ!」
ルキは名前を見つめながら腕を組んでいる。
「みっ、見ないで…!」
咄嗟に両手で体を隠す。
慌てる名前を一瞥してルキが口を開いた。
『お前、服はどうした』
「えっ…と、…あれ?なんだっけ…」
ベッドの周りをキョロキョロする名前。
どうやら、ユーマの部屋に置き忘れたことを
まだ思い出せてないらしい。