第4章 序列2【無神ルキ】
食事の片付けを終えてから、
ルキは名前の部屋へと向かった。
コンコンーー
『名前、起きたか?』
「…」
返事がない。
『…?』
ガチャガチャーー
ドアノブを回すが、カギがかかっている。
…
名前は爆睡していた。
前日のユーマとの激しい行為で、身も心も疲れ切っていた。
ゆっくり寝たいという本能からか、無意識のうちに部屋にカギをかけ、誰にも邪魔されず深い眠りについていた。
…
『…』
反応がないので、強めにドアをノックしようと
拳を挙げたルキは、叩く寸前にその手を止めた。
たまには名前も疲れて朝寝坊したい日もあるだろう。
ルキは無理に起こすのは可哀想だと、これ以上声をかけるのは止めた。
自室に戻ろうと廊下を歩いていると、前方にコウが見えた。
コウはルキに気づくと、何かを持ってこちらへ駆け寄って来た。
『ルキー!これっ、見て?』
『何だ』
コウが持っていたのはシャツとズボン。
それは名前が寝るときに着ている服だった。
『これさ、どこで見つけたと思う?』
『…何が言いたいんだ?』
コウの言わんとしていることが理解できずに、
ルキは先を促した。
『ユーマの部屋!アイツ、オレ達に隠れてエム猫ちゃん部屋に連れ込んだんじゃない?』
『…何?』
ルキの表情が一瞬にして険しくなった。
『絶対そうだって〜、オレ今ユーマの部屋行ったんだよ、そしたらカギ空いててさぁ、ユーマパンツ一丁で爆睡しててベッドの周りにこの服が…』
コウの話を聞き終わらないうちに、
ルキは早足で自室へと急いでいた。
自室のドアを乱暴に開け、
机の引き出しから無造作にカギの束を取り出す。
ルキはこの屋敷の全ての合鍵を持っているのだ。
それを持って名前の部屋に向かう。