第4章 序列2【無神ルキ】
コンコンーー
『エーム猫ちゃん♪朝ご飯の時間だよ〜』
「…」
コウが名前を起こしに来た。
ノックをして声をかけるが返答はない。
『おーい?寝てるの〜?開けるよ?』
呼びかけだけでは返事がないので、ドアノブを回した。
ガチャガチャーー
『あれ?カギかかってる』
中に入れないので、もう一度外から声をかけた。
『えーむねーこちゃーん?ご飯冷めちゃうよ〜?』
「…」
やはり反応がない。
『おっかしーな?起きないや』
コウは諦めてリビングに戻った。
長いテーブルには5人分の朝食の用意が出来ていて、
ルキとアズサが既に食事を摂っていた。
コウが一人で帰ってきたのでルキが怪訝そうな顔をした。
『名前はどうした?』
『んー、なんかね…起きないみたい』
首を傾げながら答えて、自分の席に座る。
ルキはもう一つ空いている席をチラリと見た。
『ユーマも来ないのか?』
『あ、ユーマの部屋に寄るの忘れてた〜』
うっかりしてたよ〜とコウが笑うと、
隣にいたアズサが口を開いた。
『オレ、声かけたけど…反応なかったから…』
『珍しいな…』
ルキが顎に手を当てて考え込む仕草をする。
『いーんじゃない?寝たい人はほっとけばさ♪そのうち起きてくるって』
パンを食べながらコウが呑気そうに言う。
『…そうだな、後でオレが見に行こう』
結局3人が食べ終わるまでに、2人は現れなかった。