第3章 序列1【無神ユーマ】
……というのが昨日ルキと交わした会話。
いつもより低いトーンで、
覚悟しておけ…って言われたけど…。
普通に生活していれば、
他の誰かの部屋に行くことなんてそうないだろう。
そんな事を考えながら、眠りにつこうと電気を消すため立ち上がった時、
ドンドンドン!
乱暴にドアをノックする音が聞こえた。
「…はい?」
こんな夜中に誰だろうと思いながら、
ドアに駆け寄ると、それはひとりでに開いた。
『おい!いるんなら返事くらいしろ!!』
「いま、開けようと…」
『うるっせえ!ノックしてやったんだ、
ありがたく思え!』
「…なに、それ…」
ユーマの言い方にカチンときた。
そんな言い方しなくても…いいじゃない。
気持ちが伝わったのか、
ユーマはいらだった様子で名前を睨みつけた。
『文句あんのか?雌豚の分際で…このユーマ様に
楯突くつもりかよ?』
「…ちがうけど…」
口を尖らせて不満そうに答える。
その態度が、ユーマの逆鱗に触れた。
『おい…!なんだァ?その態度は!!!
てめえ…許さねぇ!!こっちへ…来いよ!オラァ!!』
ユーマが乱暴に名前の腕を掴む。
「いたっ…!!」
そして強引に名前を部屋の外に引っ張った。
そのまま嫌がる名前を引きずるように廊下を進む。
「いたいっ…離して…!」
『暴れんじゃねえ!!来いっつってんだろ!!』
腕をきつく掴まれながら
無理矢理連れて行かれてユーマの部屋の前まで来た時、
名前は嫌な予感がした。