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甘い契約【DIABOLIK LOVERS】

第2章 いたみわけ【無神アズサ】


「わっ…!」

『別にいいや…名前がオレのこと嫌いでも…オレは好きだから…』

「…えっ…」

名前はされるがままになっていた。
押し倒されて組み敷かれていることを、ようやく理解する。

『痛いこと…しよ、きっと気持ちいいよ…?』

「ちょっ…待ってくださ…っ!」

起き上がろうと手足をバタバタさせるが、両腕を抑えられていて、逃げられない。

『暴れるの…?そっか、早く痛くされたいんだ、…可愛い』

「ちがい…ますっ…!」

助けを呼ぼうと思いっきり息を吸い込んだ瞬間、
アズサの唇がそれを塞いだ。

「んっ…!っんう…!」

吸った息のせいで、鼻からむせた。
それでも唇は離れない。

アズサの唇を感じて、名前は身体が熱くなっていくのが分かった。

チュッ…

最後についばむようなキスを落として、アズサは冷たく笑う。

『その目…感じてるんだね…?今度は、唇、噛んであげる』

「えっ?!まって…あっ」

ガリッ…

アズサの顔が近づいて来たと思うと、
プツッと皮膚の破れる音と、生暖かいものが流れる感覚が、名前の唇を伝った。

「いたっ…」

ズルズルッ…ズズッ

『痛い?…はぁ…名前の血、舐めちゃお…』

鈍い痛みと、それを舐めるアズサの舌が、頭の中を混濁させてゆく。

うっとりするようなその刺激に自然と吐息が漏れた。

「はぁ…っ」

『気持ちいい?…そうだよね?だってこういうの、大好きでしょ?』

口元の血を拭って、妖艶に笑う。
名前はとろんとした目で、それを見つめていた。

『今度はさ…名前の番…オレにも同じ事、して?』

「…えっ…」
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