• テキストサイズ

君が隣にいるきせき

第1章 制服姿の君


(なーーんて諦めきってたらマジで三年間一切関わりなかったわけなんだけどまさかこんな形で再会するなんて・・・)
私は心の中でずーんと落ち込んだ。
神様のいたずらにも程があるだろう。それもまたどうしてこんな奇妙な形で会う事になるのか。

「なーもう寝ようぜー 試合も終わったしよー」
「あ〜〜さすがに球児は寝るの早いね。まだ10時半だし晩ご飯作るつもりだったけど私も今日はもう寝るわ 一気に疲れたしお風呂も明日入ろう・・・っていうか何でベッド入ってんの!!」
「やっぱシングルはいいな〜 寮の二段ベッドとは違うわ」

こいつ・・・!

いつの間にか初恋の相手はふてぶてしくベッドの中でくつろいでいた。意外に図々しいなこの男!ちょっと待て男の人をベッドに入れた事なんて無いんだぞ。ついでに言えば目覚まし時計の横のうさぎは枕にしないで頂きたい。
そんな事を考えていると、御幸くんは何かいい事を思いついたようで、猫のように寝返りをうって、何だかニヤついた顔でこちらを見てくる。
ある種のどや顔なんだけど、私の残念な心臓はそんな表情でさえドキドキするからやめて欲しい。

「・・・・何」血が顔に上らないように声だけは堂々と張る。
「一緒に寝る?」
「!!!!!」
私の顔は一気に火を吹いた。

「いやいい!!今日は床で寝る!!」
軽率にそんな事言いやがって!人の気も知らないで!!
私は床に散らばったクッションをベッド代わりに整えて勢いよく寝転んだ。

「連れねーなこんなチャンス二度とないぜ」
「こんなにいい男がベッドに転がってるっていうのによお」
「あーあーそうやってこれから先の人生もことごとくチャンスを逃していくんだろーなー」
(うるせええええええホントもう何だこいつ!!)
いきなり家に転がり込んできたあげく好き勝手振る舞いやがって!!

ベッドを占領している御幸くんは言いたい放題だし私も多方面からドッと疲れが押し寄せてきていよいよ限界が近い。
(………ああもう試合も見逃すし晩ご飯も食べ損ねたしで散々だった…
きっと寝て目が覚めたらきれいさっぱり御幸くんも消えてるでしょ、疲れてるのよ私……………)

明日が休みで良かった・・・ゆっくり眠れる・・・・

/ 6ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp