第4章 四番隊のお仕事1
仕事を終えて自分の部屋に帰ってきた優姫は布団に身体を横たえて目を瞑る。
精神世界で影柘榴に抱き締められて口づけされた時に理解した。
影柘榴……私が求めた力……
父が望む自分になろうと、 誰かに求められる私に、誰かの為に使える癒しの力を求めた私の前に現れたのは翠光。
でも、心の奥底では思ってた。
敵と戦う力があれば、敵を滅ぼして誰かを守れる力がほしいと。
あの時、父が死んだとき私がもっと強かったら、もっと早く虚を消し飛ばす力を使えていたら父が死ぬことはなかった。
強さが欲しいと思っていた私がいた。
どちらも私が求めた力。
ふと、父が昔語った話を思い出した。
一族の始祖となった方も慈愛と破壊の力があったと。
父が私の霊力はその方に似ているようだと。
本来斬魄刀の力は一つなのにこうして二つの力を発現させたのはこの血の宿命か。
優姫は静かに瞼を閉じた。
身体が沈む感覚。
深く、深く堕ちていく。
こうやって自分の意思でそこへ行くのは初めてだ。
いや、自分の意思で行けるようになったというほうが正しいか。
暫くしていつもの波音が耳を擽る。
いつもの様に胸に懐かしさがこみ上げる。
ゆっくりと目を開ける。
見慣れた浜辺に優姫は立ち上がり辺りを見回してその人を探す。