第4章 四番隊のお仕事1
久しぶりにあの海岸に来た。
あのまま倒れた私はどうやら精神世界に意識を飛ばしたようだった。
「優姫。」
懐かしい声が後ろから聞こえて振り返る。
美しい人が優しい微笑みを浮かべて立っている。
「翠光!」
久しぶりに会えた喜びに笑顔で駆け寄る。
淡い翠の瞳も嬉しそうに細められている。
「会えて嬉しい。私にもっと力があったらもっとあなたに会えるの?もっとあなたと向き合って、あなたの事を知りたいの。」
「私は君のものだ。いつでも君が望めば会えるさ。そして君の力になる。君が望むモノになるよ。さぁ、君は何を求めている?」
「私が求めているもの?」
数年前に翠光を始解させた時、私は傷ついた生徒を助けたくて彼等の傷を癒す力を求めた。
それが翠光の力ではないの?
今、私が求めているものは……
更木隊長の圧倒的な強さが胸をよぎる。
全てを切り伏せ、なぎ倒す強さ。
戦いを求めて、楽しんで……
ゾワリと胸の奥に蠢くモノがいる。
舌舐めずりして伺っている。
先日十一番隊舎に来たときに目にした更木隊長の訓練。
何人の隊士がいても一振りでなぎ倒す姿に、私は高揚していた。
そう、あんな風に強くなりたいと思った。