第4章 四番隊のお仕事1
どら焼きを食べて落ち着いた頃、優姫は思いきって更木に聞いてみた。
「あの、霊力のコントロールってどうやったら上手くできるようになるんでしょうか?」
「あぁ?コントロールなんざする必要ねぇだろ?」
「えっ?そうですか?私は上手く出来なくて……子供の頃に父が封印のようなもので抑え込んだみたいなんです。」
封印と聞いて更木隊長の顔が少し険しくなる。
コントロールする必要はないと言う更木隊長もこうして寛いでいる時間の霊力は穏やかに感じる。
「その封印とやらはどうやったら解けるんだ?」
唐突に問いかけられ、ハッとして見上げるといつになく目付きが鋭い更木隊長……
「よく、わからないんです。」
「チッ……早くその封印を解いて全開の優姫と殺り合ってみてぇな。」
ニヤリと笑って物騒な事を言ってる。
完全に獲物を見る目になってる。
「霊力なんざ困るなら技術開発局の奴らに何とでもさせればいいだろ。俺は戦いを楽しむためにこの眼帯を作らせた。」
更木隊長が右目の眼帯を外した瞬間、ズンっと空気が重くなった。
重くなったと感じた。
更木隊長の霊圧だ。
「永遠に霊力を食らうバケモノを仕込んで俺の霊力をおさえてんだよ。」
説明は聞こえるが、座っていられないほどの圧迫感に畳の上に両手を突く。
「ぐぅっ……」
呼吸が出来ない。
冷や汗が吹き出てポタポタと畳に染みを作る。
意識が保てなくなるギリギリの所で更木隊長が眼帯を再び右目に着けるのが視界の端に見えた気がした。
身体にかかっていた圧力は消えたが、優姫の意識はゆっくりと沈んでいった。