第4章 四番隊のお仕事1
やちるさんの居場所をすれ違う隊士に聞きながら歩く。
ドキドキを沈めないと……
頬はまだ少し熱を持って熱い。
ずっと生きることに必死だった。
だからこんな風に誰かに心乱される事などなかった。
その余裕が今までは無かったことと、力の封印のことがあったから。
他人と深く関わるとどうしても感情か動かされてしまう。
でも、死神になったから、そろそろ封印を気にせず力をコントロールできるようになった方がいいのかな……
ここには私よりもはるかに強い人達がいるから力のコントロールについて誰かに教えを請えたらいいのだけれど。
卯ノ花隊長に相談してみようか。
「こんにちは、やちるさん。」
訓練場のある庭に面した縁側にやちるさんはいた。
声をかけるとニッコリ笑って振り向いてくれた。
「優ちゃん、こっちにおいでよー。」
「はい、失礼します。」
隣に腰を下ろす。
ぽかぽかして暖かい。
「これ、お約束のお菓子、簡単な物ですみませんがどら焼きを作ってきました。あと、金平糖がお好きだと聞いたので、少し買ってきました。」
包みを出すとパッと素早い動作でやちるが立ち上がる。
「ありがと。剣ちゃん所で一緒に食べよー!」
あっという間に腕を捕まれて引きずられる様に連れて行かれた。
「ちょっ……やちるさんっ!歩きますから、離してくださいっ。」
ドタバタと騒がしく進むと縁側に面した部屋の扉をやちるさんが開けた。
「剣ちゃんおやつー!!」
「あぁ?!」
多分、横になって仮眠を取っていたであろう更木隊長が物凄く不機嫌な顔で睨む。