第4章 四番隊のお仕事1
先日頼んだ軟膏を持ってきた瑞原優姫。
一緒に昼飯を食べた時に不意に見せた笑顔が可愛くて、一角は何となく彼女が気になっていた。
女性をこんな風に気にかけるなど今までにはなかった。
ふと気づくと棚の前で動かなくなった彼女。
何を見ているんだ?
近づいて覗き込めば鬼道の書物を随分熱心に読んでいるようだった。
「なんだ、気になるものでもあったか?」
声をかけると面白いくらいビックリして、足を滑らせた!
とっさに抱き止めたその身体の柔らかさと壊れそうな細さにドキリとした。
「あの、ありがとうございました。」
真っ赤になって焦る姿がまた可愛くて、思わず、本当に思わず抱き締めてしまった。
ふわりと髪から甘い香りがする。
胸の奥に僅かに情欲が沸き上がる。
「何だよ、これくらいで照れてんのか?」
顔を近づけて敢えて軽口を叩けば予想以上に動揺している。
前回隊舎に来たときの殆ど表情を変ず、淡々と仕事をする姿からは想像できない初心な反応。
こんな一面もあったのか……
やべぇな、なんか萌える。
腕の中の存在が自分の中でどんどん大きくなりそうな予感。
居心地悪そうにモゾモゾして、泣きそうな瞳を見ているとついもっといじめてやりたくなる。
いっぱい泣かせたあと思いきり甘やかして可愛がりたい。
「お前、普段あんまり表情変えないからなに考えてるかよくわかんなかったけど、やっぱ普通の女の子なんだな。しかも初心で可愛い。」
自分の欲望を隠すようにまた軽口を叩いた。