第4章 四番隊のお仕事1
抱き締められているような体制に改めて気がつくと胸の鼓動が一気にうるさくなったのがわかった。
「あの、ありがとうございました。」
お礼を言って離れようとした優姫の身体を一層引き寄せた一角がニヤリと笑う。
「何だよ、これくらいで照れてんのか?」
ぐっと顔を近づけてからかう一角に泣きそうになる。
恥ずかしくて顔は真っ赤になっている。
「離してください。」
俯いて呟きながらやんわりとその胸を押すがびくともしない。
どうしよう。
男の人に免疫ないからこんなときどうやって上手くかわしていいのかわからない。
ついこの前も他の隊士に肩を抱かれた時は嫌悪感に震えたけど、今こうして斑目三席の腕の中に居ても嫌悪感がないのが不思議。
なんとか腕の中から出たいと居心地悪そうにモゾモゾしていたら斑目三席が吹き出した。
「お前、普段あんまり表情変えないからなに考えてるかよくわかんなかったけど、やっぱ普通の女の子なんだな。しかも初心で可愛い。」
「な、何言ってるんですか!もう離してください。斑目三席はいつもこんな風に女性をからかうんですか?」
「あー、いや、普段はこんなことしねぇよ。悪かったよ。」
意外にもあっさり開放してくれた。
まだドキドキしてる。
知らなかった、私イケメンに弱いのかも。
「あ、あんまりからかわないでください。」
「可愛い反応する優姫がわるい。ついでに俺のことは一角でいい。」
ニヤリと笑って全然悪びれてない態度。
突然名前で呼ばれて更に鼓動が早くなる。
ずるい……やっぱりかっこいいと思ってしまう。
「やちるさんと更木隊長にも用があるので、失礼します。い、一角さん……」
逃げるように一角の部屋を飛び出した。