第4章 四番隊のお仕事1
「うめぇ!」
優姫の作ったおむすびを頬張りながら破顔するのは斑目一角。
十一番隊の三席だ。
隣で豚汁を啜るのは綾瀬川弓親、五席。
「お、お粗末さまです。」
優姫は頭を下げながら、自分が置かれた状況に戸惑ったままだ。
「本当に美味しい。瑞原さん、料理上手なんだねぇ。」
のほほんとおむすびを頬張っている花太郎さんは順能力あると思う。
あのあと草鹿副隊長に強引に隊舎の台所に連れて行かれる途中で、訓練を終えた斑目三席と綾瀬川五席に会った。
自分たちも手伝うから隊長と昼御飯を一緒にと押しきられて、今こうして同席しているのだが、いいのかな、こんなことしてて……
ついぼんやりと考え込んでいたらしい。
「なんだ、食わねぇなら食っちまうぞ。」
急に耳元で話されてビクッとして見るとすぐ真横に更木隊長!!
ち、ちかっ、近いっ!!
「た、食べます!」
心の動揺を隠そうとして焦って大きな声が出てしまった。
更木隊長を見ると、なんだ、食うのかと言いたげな拗ねたような顔。
ちょっと、なんだか失礼だけど、か、可愛い……かも?
「えと、じゃあ卵焼きひとつどうぞ。」
だし巻き卵をひとつ箸で摘まんで更木隊長のお皿に乗せようとすると、そのまま手首を捕まれた。
えっ?と思うまもなくそのまま掴んだ手を口元へ……
パクリと卵焼きは隊長の口の中へ消えた。
「わぁぁぁぁ!」
「あん?何だよ、うるせーぞ。お前が食っていいって言ったろうが。」
「そ、それは、お皿に置こうとして、じ、自分で食べてくださいってことで……」
アワアワしながら真っ赤になって説明する私を、もう済んだことだろと無視する更木隊長。