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その胸に抱くのは~BLEACH~

第4章 四番隊のお仕事1


「早速怪我人出ちゃったねぇー。剣ちゃん健康確認だってー。」

草鹿副隊長の声にハッと正気に戻る。

「花太郎さん、怪我が酷い人は私が治療します。」

慌てて怪我人の確認に集中する。
普段から鍛えているだけあってそれほど重傷という隊士はいないようだ。
数人の骨折した隊士を集めて斬魄刀を始解させる。



あの小娘はあんときの……
覚えている。
数年前、流魂街に出現した虚を消し飛ばしたってやつが四番隊に運び込まれたって聞いた。
久しぶりに骨のある奴とやり合えると思った。
直後に殺気と霊圧の爆発を感じて自分の隊舎を飛び出した。
ゾクゾクした。
あの殺気は同類だ。
俺と同じ。
戦いにしか生きられない、戦いこそすべてだろ。
飛び込んだ先で見たのはまだ年端もいかないような小娘だった。
「俺の所に寄越せよ。」
考えるより先に口走っていた。
誰にも渡さねぇよ。
俺の所で鍛えて、もっと強くしてやる。
俺の獲物だ、誰にも渡さねぇよ。

あの時はそう思った。
なのに何だよ、ソレは……
お前の能力はそんなもんに使うもんじゃねぇだろうが!
四番隊なんてつまんねえ所に収まりやがって。

「ちっ……」

苦々しく舌打ちしたところへ治療を終わらせた花太郎と優姫がやって来る。

「応急処置が終わりましたので、通常の業務に戻ります。暫く隊舎内にお邪魔します。」

花太郎が更木に頭を下げたのに習って優姫も頭を下げる。

顔を上げた優姫と更木の目が合う。

ゾワリ……

また、あの感じ。
胸の中で燻る焦燥感……
強く、強くなりたい……


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