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その胸に抱くのは~BLEACH~

第14章 喪失


ドカッ‼
頭に激しい衝撃。
若様が優姫の頭を踏みつけたのだ。



『お前が黙っているならあいつには何もしねぇよ。俺は女を痛めつけるのが好きなんだよ。お前、ガキの癖に気が強いし楽しませてくれるだろ?』



頭から足を退けると前髪を掴んで引っ張りあげる。
ニタニタと下卑た笑い顔を近づける。
吐きそうだ。



『簡単に壊れるんじゃねぇぞ。このままいい女に育って、親父が手を付けた後は俺がしっかり調教してやるよ。一生嬲りものにして飼ってやるからな。』



その後は地獄の時間が始まった。
若様の気が済むまで殴られて、蹴られて……
外から目立つ場所を避けて痛めつけられた。
泣き叫んだりしたくない。
やめてくださいと乞うことも。
こんな屑を余計に楽しませることなんて絶対したくない。
心まで屈したりしたくない。
心を憎しみに染めないように……
ただ、人形の様に何も考えないで耐えていた。



若様が去ったあと、ノロノロと立ち上がる。
倒れる事は出来ない。
動く度に悲鳴をあげそうになる痛みに耐えながら仕事をこなしていった。
橘さんに知られるわけにはいかない。
大切な人を守りたい。
私が耐えて守れるのなら、耐えて見せる!





その夜、布団を頭まで被ると自分の膝を抱き抱えて眠った。
いつものように勉強を教えてくれた橘さんは気づかなかっただろうか?
普通にできていただろうか?


流れてしまう涙は止めることはできなくて、嗚咽を漏らさないように、震える身体がばれないようにと力いっぱい膝を抱えていた。







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