第4章 四番隊のお仕事1
「まぁ、他の隊に訪問して健康状態の確認をして、病気や怪我が見つかったら報告。処置出来るものはして、長期的な治療が必要な時は救護班に要請して。」
「はい。」
暫く歩くと目当ての十一番隊舎につく。
「四番隊です。定期的な健康確認にきました。更木隊長はおいででしょうか。」
花太郎さんが入口の隊士に挨拶している。
ここの十一番隊は特に戦闘能力に長けた隊士の集まりだから、怪我とか多そうだなぁ。
「あ~ん?四番隊のやつらか……ちっ、隊長なら訓練場にいるだろ。」
何だろう?苦々しい顔で言われてしまった。
「十一番隊の方々は四番隊が嫌いな人が多いから、あんまり目立たずささっと済ませちゃいましょう。」
花太郎さんが小さな声で教えくれる。
そうか、嫌われているのか……
花太郎さんが言うように騒がしくしないように気をつけて、早めにおいとましたほうが良さそうだ。
「あの、それでは少しお邪魔させて頂きます。」
優姫が声をかけて花太郎と二人で隊士の横を通り過ぎようとすると、声をかけられて初めて優姫に気づいた隊士の動きが止まる。
何だろう?と不思議そうに見つめると、みるみる隊士の顔がだらしなく緩む。
「なんだよ、四番隊にお前みたいな可愛い女がいたのかよー。俺が隊長のところまで案内してやるよ。」
ガシッと馴れ馴れしく肩を抱かれた優姫は嫌悪感に震える。
(いやーーー離してーーー!!)
一気に顔から血の気が引いていく。
男性とこんなにも密着したことなどない。
普段表情に乏しく、人を寄せ付けなかった優姫は男性とのこういったスキンシップに物凄く弱い。
花太郎も横でどうしたらいいのかとオロオロしている。
肩に乗った手がするすると腰へ撫で下ろされた瞬間、叫んで隊士を張り倒す寸前だった。
「あーーー!やらしいことしてる!」