第4章 四番隊のお仕事1
「おはようございます。」
今朝も優姫は時間通りに出仕すると卯ノ花隊長の部屋へ挨拶に出向く。
昔からの念願叶って入った四番隊の仕事は思ていたよりも雑務が多く、毎日仕事に忙殺されているが、こうして卯ノ花の側にいられることが何よりも嬉しい。
卯ノ花は席官にもなっていない優姫のことをよく気にかけてくれる。
「今日は十一番隊に出向いて隊士の健康状態の確認に行って下さい。」
「はい。わかりました。」
「同行者に七席の山田花太郎をつけます。仕事を教えてもらって下さい。今後のこの仕事はあなたに任せるつもりです。しっかり覚えるように。」
「はい、有り難うございます。心して取り組ませて頂きます。」
一礼して顔を上げるとにこやかに笑う卯ノ花と目が合う。
頑張りなさい、とその目が伝えてくる。
それだけで高鳴る鼓動が押さえられない。
僅かに頬を染めて卯ノ花の部屋を退室する。
今日はいい日になりそうだ。
「山田七席、おはようございます。」
「あ、おはよう。僕に敬語とか使わなくていいよ。瑞原さんは他の隊舎へ訪問は今回始めてだよね。」
「はい。よろしくお願いします。あっ、私のことは優姫でいいです。」
「そう?じゃあ僕は花太郎でいいよ。」
花太郎さんは小柄で気弱な感じの方だけど、席官を戴いているだけあって鬼道の使い手としての腕は確かだ。
にこにこと人懐っこい表情に優姫の表情も自然と柔らかくなる。