• テキストサイズ

その胸に抱くのは~BLEACH~

第13章 虎の愛


「それに……あの人にはまだあれがある!」


そう、さっきから感じる更木隊長の霊圧は全開ではない。
私も一度体験したことがある更木隊長の本当の力……
あの眼帯を外した更木隊長が敗けるはずない。
なのにさっきから胸騒ぎがする。

阿散井副隊長をも下した黒崎一護……
一角さんの口ぶりから彼は短期間でどんどん力をつけているようだ。
そして何より彼の真っ直ぐな魂の魄動……
決して悪意有る者ではないのだ。
ルキアさんを助ける為に、その為だけに傷つきながらも進んできた。
花太郎さん同様に私も彼に力を貸したいという気持ちになっている。



ズゥン……
空気が一瞬で重くなったような感覚。



「始まったな……」


一角さんと頷き合う。
更木隊長が眼帯を外して本気になった。
更木隊長の霊圧と魄動に優姫も高揚してくるのを自覚する。
ざわざわと気持ちが落ち着かない。


影柘榴を手にする私が求めてる。
いつか、いつか自分も本気の更木隊長と向き合って剣を交えたい。
あの人が本気になるに価する力をつけたい。
あの人に認められたい。
そしてあの人に斬られて果てるのなら、それは夢のように幸せだと思える。



更木隊長の野生の獣のような魄動がビリビリと空気までも震わせている。
対する黒崎一護の霊圧は穏やかとも感じられるほど静かだ。
一瞬の後マグマが噴き上げるように一気に霊圧があがった。
そして激突……
優姫は巨大な霊力同士のぶつかりを全身で感じた。
そして二つの霊力は急激にに小さくなっていく。
勝敗はまだわからない。
だが感じる霊力から両者共に大怪我を負っているだろう。
更木隊長が怪我をしたと思うと優姫の心臓が騒ぎだした。




/ 270ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp