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その胸に抱くのは~BLEACH~

第12章 逢瀬


布団をめくり優姫の死魄装の帯を緩めて着物の袷を開く。
優姫を襦袢姿にしてしまうと自分も死魄装を脱ぎ、襦袢姿で優姫を寝かせた布団の中へ入る。
優姫の冷たい身体に藍染は自分の身体の熱を分け与えるように抱き締める。


失いたくはない。
彼女は、彼女だけは失う訳にはいかない。
華奢な身体を強く抱き締めて早く目を開けてくれと願う。
いっそこのまま連れ去ってしまおうか……
この腕に閉じ込めて誰にも見つからない所に閉じ込めてこんな戦いに巻き込まれないように……
額に痛々しい打撲を見つけて藍染は顔をしかめる。
そっと傷を撫で、髪を梳く。
その時僅かに優姫の瞼が痙攣する。


「んっ……」


微かな吐息と共にゆっくりと瞼が開かれていく。
彼女が無事だったことにこれほど安堵できるなんて、完全にまいっている。
抱き締めている優姫の身体に少しずつ暖かさが戻ってきているようだ。
もう大丈夫だろう。


「あいぜん……たいちょ?」


優姫の瞳が自分を捉えて呟く。


「そうだよ。ずいぶん心配させてくれたね。お仕置きが必要だ。」


安堵の喜びで優姫の唇に思わず口づける。
触れるだけの口づけをすると優姫が恥ずかしそうに身じろいだ。


「ここは?私……」

「ここは今は使われていない仮眠場所だよ。優姫は霊力の使いすぎで倒れたんだ。覚えているかい?」

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