第11章 旅禍
四番隊の本隊から外れて十一番隊の救護と補給担当になってしまった……
前線に私みたいな席官も頂いていないような者がついていいのかな?
もしくは危険だからこそ下っ端が駆り出される場所なのかな……
自分の考えにちょっと傷つきながら合流した。
十一番隊は既に全員殺気立っている。
(声かけにくいな……)
どうしようかと思案していた時に
「あっ優ちゃん!!」
拍子抜けするほど明るい声が響いた。
「あぁ?優姫だ?」
更木隊長とやちるさんだ。
更木隊長の背中に飛び付いているやちるさんがこっちに向かって手を振ると、更木隊長も気付いたようだった。
他の隊士たちもこちらを見ている。
急いで二人の元に走って挨拶をする。
「十一番隊の救護と補給担当になりました。足手まといにならないように頑張ります。」
緊張した私を黙って見ていた更木隊長がいきなり頭を鷲掴む。
(痛い、痛い、いたいーー!)
「オメーはちゃんと強い。自信持て。それに俺がいるんだから心配要らねーよ。……ちゃんと守ってやる。」
最後の言葉は私にだけ聞こえるような小さな声だった。
「はい、ありがとうございます。」
「剣ちゃん優しいーー!優ちゃんには甘々!!」
「うるせーぞ、やちる」
プイッと横を向く更木隊長に思わず頬が緩む。
「そーそー、そうやってリラックスしてたらいいんだよー。」
ニッコリといつものようにやちるさんは笑った。