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その胸に抱くのは~BLEACH~

第11章 旅禍


あの後はさんざん市丸隊長にからかわれながら過剰なスキンシップを受けた。
お兄ちゃんみたいだと思ったけど、さすがに何度も口づけしてくる人はお兄ちゃんじゃないな……



四番隊舎に入ろうとしていると、道の向こうから花太郎さんが歩いてきた。
ガックリと肩を落として物凄い落胆っぷりだ。
どうしたんだろう?
このところビックリするくらい楽しそうにしてたのに?




「お疲れ様です、花太郎さん。どうしたんですか?」

「お疲れ様、瑞原さん。ちょっと残念な事があってね。」



ははは……と乾いた笑いを残して花太郎さんは隊舎に入っていった。




その後も花太郎さんは見事な落胆っぷりと失敗で皆から非難されていた。
もう見てられないと、夕飯を食べながら訳を聞き出した。
隊士の健康管理は私の仕事!!





重い口を開いてくれたのは食堂に誰もいなくなってからだった。
原因は今日懺罪宮に移動された罪人、朽木ルキアさんとのことだった。
六番隊舎の清掃に行っていたのは知ってたけど、隊舎牢の清掃もしてたんだ。




花太郎さんに様付けで呼ばれるのを嫌がって、自分が罪人となる原因となった人間の事を思いやっていたルキアさん。
自分のせいで運命をねじ曲げ、ひどく傷つけてしまったと悔いているらしい。
ふと、六番隊舎で阿散井副隊長と話していた声を思い出した。
涼しげで、凛とした声。


朽木隊長の事を誤解している発言を聞いてから、彼女の事をあまり考えようとしなかった。
あの優しく不器用な方を酷く言われるのが嫌で……
でも、あの方があんなにも大切に思っている妹さんだもの、素敵な方に違いなかったのに……
自分の浅はかさが嫌になる……

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