第10章 愛を請う
いけなかっただろうか……
白夜様のものが身体に入って私の中に染み込んでいくような幸せな感覚がしたのだが、無作法だったのかもしれない。
「す、すみません……」
しょんぼりとして謝ると、グイッと顎を引かれて噛みつくような口づけをされた。
「すまない。ひどいことをさせた。でも、嬉しかった……」
口づけの合間に甘い呟きを聞いた。
よかったと安堵しながら激しい口づけに応えて舌を絡めた。
口づけながら私の下腹部には熱が燻り、蜜壺はジクジクと痛いくらい蠢いて涎を流していた。
白夜様の着物を整えてすっかり遅れてしまった食事を取る。
さすが貴族の家の使用人の方々、遅れてもしっかり温かい食事が運ばれてきた。
見たこともない豪華な食事にどう手を付けたものかとオロオロしていると、白夜様が甲斐甲斐しく食事のメニューの説明と食べ方を一つ一つ教えてくれた。
本当にお優しい方……
嬉しくて仕方なかったが、身体の疼きと濡れた下着の不快感で説明の半分は頭に入らなかった。
「風呂の用意をさせたから先に入れ。」
着替えの着物を手渡して白夜様が優しく言う。
この屋敷に来てから白夜様は人目が無いからか普段よりも優しさをストレートに出してくる。
声が甘い。
見つめる目が優しい。
いつもは引き結んだ唇も緩んで微笑んでいるようだ。
手を取られて浴室へ案内される。
こうして手を繋いでくれるのも、嬉しい。