第10章 愛を請う
白夜様からの激しい口づけに舌を伸ばして応える。
唾液が混ざり合い飲み込めない蜜が口の端から溢れる。
唇の角度を変えながら、舌は思うまま口腔を蹂躙する。
既に快感で足の力が入らない。
しがみつくように白夜様の背中に回した手に力を入れる。
「白夜様、お食事の用意が整いました。」
「……っ!」
不意に扉の外から声をかけられて、声にならない悲鳴をあげる。
唇を離して見上げた白夜様の瞳が情欲に濡れて艶っぽい。
その目で見られてさらに足の力が抜けて床にへたりこむ。
目の前に白夜様の下肢。
その中心が形を変えている。
「あ……」
惚けたように見つめてしまう。
私が相手でもちゃんと興奮してくれていることが嬉しくて、誇らしいような気持ちになる。
クイッと白夜様に顎を取られる。
顎を捉えた方とは逆の手の指が唇をなぞる。
クプリ……人差し指が口の中へ入れられる。
舌の上を撫で、上顎をくすぐる指がゆっくりと抜かれる。
指と唇を光る蜜が繋いでいる。
「んはぁ……」
吐息を漏らしたのも束の間、今度は二本の指が口に入れられる。
「んぐっ……」
チュプッチュプッ……
引き抜いては入れてを繰り返す指。
「ここで……」
頭の上から白夜様の甘い声が降る。
見上げた瞳を見下ろしながら、白夜様が顎を捉えたままの顔に下肢を近づけてくる。
頬に当たったそれは、着物の越しにもわかるほど固くなりピクピクと脈打っていた。