第10章 愛を請う

項からつっと指を着物の襟に沿って滑らせる。
後ろから優姫を羽交い締めにするように抱き込み、着物の袷に辿り着いた指をそのまま着物の中へ差し込む。

「あっ……」

優姫が驚いて身体を跳ねさせる。

柔らかな乳房を手で包み込む。
やわやわと揉むと頂きが形を変え始める。

「んっ……んっ……」


腕の中の優姫が目を閉じて快感に吐息を漏らす。
感じやすい身体なのか……
それとも、この身体に既に触れた男がいるのか……
どす黒い嫉妬が心を占める。
この肌に触れるのは私だけだ！
誰にも渡したくない。

ぎゅっと力を込めて乳房を握る。

「きゃんっ……」

痛みとも快感とも取れる悲鳴と跳ねる身体。
目の前の耳朶に噛みついた。

「あぅっ……」

そのまま噛みついた箇所を舌で舐める。
噛みついて、舐めてを繰り返す。
痛みと快感に翻弄されて、優姫の呼吸が上がる。

「はぁっ……あっ……はぁっ……」

腕の中の優姫が身体を捻って振り返る。
快感に濡れた瞳が欲情を煽る。
優姫が背中に手を回して抱きついてくる。
ねだるように寄せた唇が僅かに開き、赤い舌が覗く。

チロリと蠢くそれを目にした白夜はさらに煽られ、誘われるまま深く口づける。
クチュリ……チュプ……
始めから舌を入れて優姫の舌に絡める。
グチュグチュと唾液を混ぜるようにかき回す。
優姫も小さな舌を動かして応えてくる。
白夜の中に喜びと、久しく忘れていた熱が下肢に集まっていくのを感じた。