第10章 愛を請う
優姫に着せる着物を持って縁側に戻ると、襦袢姿になった優姫が佇んでいた。
着物よりも身体のラインが浮かび、彼女の女性らしい肢体が露になっていて目が離せなくなっていた。
やはり彼女は美しい……
食事の準備が終わるまで書斎で書物を読むことにした。
手を繋いで書斎まで連れていく間頬を赤らめて嬉しそうにしているのが可愛いと思う。
書物を持ち紙に触れる白く細い指。
足と同じで桜色の爪。
書物を読むために伏せられた瞳。
長い睫毛が瞳に影を落とす。
桃色の唇から規則正しく漏れる吐息。
今すぐ抱き締めて口づけてしまいたい。
どんな声で快感に啼くのか。
前にも思った。
雄の本能のままに抱きたい。
めちゃくちゃに壊れるまで快感を与えて、この身体の中に沸き上がる欲望ごと汚濁を注ぎたい。
そんな抱き方をしたら怖がらせてしまうだろうか?
どんな私でも受け止めてくれるだろうか?
手を伸ばして白い項に触れる。
くすぐったそうに首をすくめて訝しげに見る。
こうして仕事から離れて肩の力を抜いた彼女はまだ少しあどけない。
この身体は男を知っているのだろうか?
穢れないものを汚す背徳感がさらに欲望を煽る。
「あの、朽木隊長?」
首に触れたまま黙って見つめるだけの白夜にどうしたのかと優姫が声をかける。
「白夜と呼べ。」
「え?」
「貴族でも隊長でもないと言っただろう?今日は白夜と呼んでくれ。」
自分でも驚くほど優しく甘い声で囁く。
赤くなった優姫が甘えたように着物の袖を掴んで呟く。
「白夜様……」
「様は要らぬが、まぁよい。」