第10章 愛を請う
チラリと見上げれば、頬を真っ赤にして見つめる優姫と目が合う。
今度は意図的に指で足の甲を撫でる。
「んんっ……」
口許を手で抑えて声を殺す姿が官能的だ。
白い足だった。
普段は人に見せる事さえしないだろう。
普段見せない肌を暴いているかと思うと、自分の奥底に眠った雄の本能がゆっくり呼び起こされるのを感じる。
白い肌に桜色の爪が美しい。
もっと触れたいと思う。
目の前の愛しい女性の肌に触れて、快感に啼く姿を見たい。
握る彼女の足の甲に口づけを落とす。
「だっだめですっ!!」
叫ぶような声をあげ、弾かれたように優姫が足を引いた。
見上げた目は涙を湛えながら僅かに怒りの色がまざる。
「何をされてるんですか。朽木隊長のような方が、私などの足に口を付けるなどいけませんっ。私は、平民で、父を亡くした後は孤児だったのですよ。そんな卑しい身分の者にこのようなことをされてはいけませんっ。」
悲しみに揺れる瞳。
そんな顔をさせたかった訳ではない。
私は……