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鉄血のオルフェンズ 三日月夢

第3章 初めての料理


哨戒から戻ってきた三日月たちは食堂にいたフィアの姿に固まった。
「……何、してるの?」
何とか絞り出すようにして三日月が尋ねる。するとフィアは頬を膨らませてお玉を持ち上げた。
「食堂でエプロン来てお鍋の前に立ってたらすることは一つでしょう!ご飯作ってるんだよ」
「いや、できるのかってことをミカは言いたいんだが」
オルガの代弁にビスケットが繰り返し頷く。
フィアの頭脳は確かに鉄華団随一ではあるが、それはメカニックやナノマシンなどの兵器技術に関するものがほとんどだ。一般常識は三日月よりも薄い。何せ卵の割り方すら知らなかったのだ。
「消し炭とかダークマターみたいなのが出てくるんじゃないだろうな」
ユージンが皮肉交じりに言うが三日月が怒らないところを見ると同じようなことを考えているのだろう。
しかしフィアはそんなユージンにもにっこり笑ってみせた。
「ユーくん、何事も最初は簡単なものから、だよ。プログラムだって最初は四則演算くらいから。料理はシチューから」
「シチュー」
「シチュー」
三日月とオルガオウム返しに深く頷いてあのね、と話を始める。
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