• テキストサイズ

鉄血のオルフェンズ 三日月夢

第2章 初めての水中戦


フィアが自身のデバイスから端子を引き出し、バルバトスのモニタに繋げる。
空振りを誘発し適当な距離を取りながら三日月は脳へ直接送られる異物に眉を顰めた。
瞬間を見逃されるはずもなく、一気に間合いを詰められて止む無くアックスを受け止める。
『時間など稼いだところでどうする!?』
相手の挑発も耳に届いても頭では理解できない。一方的に脳に情報が送られてくるのとは違う。途中で書き換えられ、頭の中で目まぐるしく電気信号が変化していく。視界がちかちかと点滅して、それでも三日月は砂を蹴った。一度バルバトスの重さに任せて敵を押し込み、それから水流に任せて距離を取る。
「あともうちょっとっ」
ごちんと頭を打ち付けながらフィアが呟く。うん、と三日月は返事をしたが声になったかどうかはわからなかった。
大丈夫、まだ耐えられる。脳を直接弄られるような不快感はそれがフィアの手なのだと思えば嫌悪感はない。
(俺とバルバトスはフィアの手でもっと強くなるんだ)
再び間合いを測りながら今度は上流を位置どる。
戦いのイメージはできていた。あとは思うようにバルバトスが動いてくれるかだ。
「大丈夫、わたしは三日月とバルバトスを信じてるよ」
「……ああ」
フィアがコードを引き抜く。それと同時に完全にクリアに戻った視界に輝くような錯覚を覚えながら三日月は強く強く地を蹴った。
/ 17ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp