• テキストサイズ

鉄血のオルフェンズ 三日月夢

第2章 初めての水中戦



自分の意思に反して下がっていく足元と崩されつつある体勢に三日月が歯噛みする。
「バルバトスが……押し負けてる!」
初めてバルバトスに乗って戦った時とは真逆の劣勢だ。
しかも今隣には狭いコックピット内でそれでも三日月の邪魔にならないよう体を縮こめている少女がいる。
普段はオルガに任せっきりの脳神経を使って撤退も考える。
ここは何とか切り抜けてオルガたちと合流し、フィアを安全な場所へ移動させないと。
「ミカくん」
上手く進まない思考を遮るようにフィアが三日月の腕に触れた。
「押されてるのはバルバトスのインターフェイスが海中に適応できてないせい。だからミカくんも水流や水の抵抗を計算して戦えてないの」
「そう言われても……俺はそんなの考えて戦えないよ」
何とか敵の攻撃を受け流して距離を取る。しかし背を向けて逃げても海上を目指しても致命的な攻撃を受けることは明らかだった。
「ミカくん、もうちょっと逃げられる?今からシステムを書き換えて海中にも対応できるようにするから」
「できる?」
「うん、前にも弄ったことがあるから頭の中ではできた。でも当然今接続してるミカくんにフィードバックがあるから、初めてバルバトスを起動した時みたいに脳神経が揺さぶられると思う」
一瞬意識を失ったことや鼻血が出たことなどはまだ覚えている。多分おやっさんの言う通りいくらか脳神経が焼かれたのだろう。それでも生き残るためにはそれしかなかった。今も。
「わかった。揺れるから注意して」
「うん。始めるね」
/ 17ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp